家族構成

gettyの画像ばかり並ぶと、どっかのニュースサイトみたいだけど、私的な意見しか載ってませんよ

要介護って何?黙っていても巻き込まれる家族

要介護4ってどんな?って思うでしょ。

検索すれば色々基準が出てくるけれど、我が家のケースとしては…。

歩行が出来ない、着替えが出来ない、入浴やトイレなども無理。食事も1人で食べられない。言葉が出にくい。あとは痴呆的な要素が加わっている。

痴呆って診断は特に無いのね。これは今でも不思議に思っているけれど、痴呆と診断されたところで何の変化も無いのだろう。

ってのは、医者は脳の状況を診断して機能について正常化どうかの判断を下す。血中の成分についても調べて、正常の範囲内かどうかの判断となる。でも、これらって痴呆の症状と診断ってのと違うのよね。
「脳のこの部分の原因により、運動や記憶が困難かもしれません」みたいな話は出来ても、それ自体が「痴呆です」って診断にはならない。

いや、聞けば「これは痴呆ですね」とかする病院もあるのだろうけれど、それによって何か家族が変わるかといえばレッテル貼られて、いよいよ悲劇でしか無いよね。

父を含めた家族全員が「これは痴呆だ」と認識しつつも、誰か外部の人からの「痴呆ですね」ってお墨付きは要らないというところ。この感覚わかるかな?難しいよね。

 

痴呆は去年に転院した病院から進行した。

既に自宅で介護状態であった去年の夏頃、言動がおかしく病院へ救急車で運ばれて診断。何かの感染症とのことで、治療が行われて完治。その後ベットの数が足りないと他の病院へ転院。そこの病室が酷かった。

4人くらいの相部屋だったのだけど、病人同士の会話が無い。ずっと天井を眺めている生活は母の痴呆を進行させた。結局そこでの数ヶ月で一気に「時間」や「日にち」「場所」などが分からなくなったばかりか、毎日見舞いに通う父への「暴言」や「虚言」も出てきた。

これはショックではあったし、「面倒なことになったぞ」というスタートでもあった。

甥っ子と僕の判断も付かない状況でもあるなかで、突然「退院」という通知。自宅介護が出来るのか。しかもあれだけ「暴言」を吐く相手である父と二人暮らしで。

その頃、姉と僕とのLINEは「ほんとに大丈夫なのか?」という会話が繰り返される中で、悩む時間も検討する家族会議も無く、退院する日が来てしまった。

父は「家の方がいいだろ」と言いつつも、「俺ひとりじゃ心配だから、お前ら2人もついてこい」と姉と僕が招集された。

 

病院へ母を迎えに向かう。

3人で昼飯を食べて病院へ向かう。昼食の時間は、ずっとくだらない話をしながら笑っていた気がする。何も覚えてないけど、よく3人とも喋った気がする。

病院に到着して、母を引き取る。父の運転する傷だらけの普通乗用車に乗せるのは簡単ではなかった。なんとか後部座席に座らせて、横に姉が座る。

母はお出かけ気分。僕らの事はわかっている様だけれども、どこへ向かうのかは全く分かっていない。

そんな帰り道で小学生の頃に父に連れられ、姉と3人で行った遊園地が見えた。「あの時あの場所へ行くとき、母と一緒に行った記憶は無いね。いつも父親と3人だった」と、姉がつぶやきちょっぴり静かになる車内。

そうして母は帰宅した。大混乱の幕開けだった。